俺様御曹司に飼われました
「ま、待って!姉ちゃんって何!?」


「いまそれ必要?」


「ひ、必要!!」



あたしの勢いに、目を瞑る。



「……はぁ」


「た、ため息……」


「まぁ、いいか。俺の姉ちゃん、総務やってんの」


「……あ、そうなんだ」



悪魔以外の社長の子供のことは知らなかった。



「だから、姉ちゃんにあの男の住所きいた」


「そ、それって個人情報!」


「姉ちゃん、俺には甘いから」



そう言ったあと、1歩踏み出してあたしとの距離を詰めてくる。



「……あ、暁さんっ」


「ん?」


「ち、近いです……」



こうしてる間もやっぱりずっと、あたしの心臓は激しく鳴り響いていて。

この距離に耐えれるわけなんてなかった。



「話の続きさせて?」


「……はい」



観念しようと首を縦に振る。



「俺はお前の飼い主だ」



いつもと変わらない、俺様な悪魔の姿。

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