俺様御曹司に飼われました
「それは解消したはずで「俺は諦めないって、言った」



あたしの言葉を遮るこの人。



「で、でもこういうのは二人の同意の「そんなの必要ねぇ。俺はお前を飼ったんだよ。返却するって言わない限りお前は俺のものなの」



またあたしの言葉を遮る。

出会った頃から、この人はあたしの言葉を遮ってばかり。



「じゃあ、そんな家でほかの人とキスなんかしなきゃいいじゃないですか……」



あそこは悪魔の家かもしれないけど、そこに置いておくって決めた以上はそういうところは見たくない。



「キス……?」



悪魔はキョトンとした顔で首をかしげる。



「してたじゃない!あの日リビングで!」


「まって、本当にわかんねぇ」



取り乱したあたしの肩を抑える。



「暁さんにとっては記憶にないほどどうでもよかったことかもしれない!でも、あたしは苦しかった」


「待てって、本当に……あ!」



なにかを思い出したような顔をする。



「思い出したんですか?」


「いや……ちょい待って」



ポケットからスマホを出してだれかに電話をかける。

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