俺様御曹司に飼われました
「心海が帰って来なかった日、俺が風呂入ってる間にお前来たよな?彼女と」



友達であろう、誰かに電話をしてる。



「人んちでまさかソウイウことしてねぇよな?……うるせぇ、そういうことはそういうことだよ!」



少し照れくさそうな顔をする。

悪魔にもこんな照れる瞬間なんてあるんだね。



「はぁ!?……たりめーだろ、やっぱとんでもねぇ疫病神だな、くそが」



暴言を吐いて、すご勢いでスマホの画面をタップする。



「……暁さん?」


「ごめん、俺の従兄弟が彼女とキスしてたんだよ……ったく、あいつほんと疫病神」



チッと舌打ちをしてスマホをポケットへしまう。



「でも、髪型も横顔も……「俺みたいだった?」



あたしの顔をのぞき込むその顔に素直にとくんっと胸が高鳴る。



「う、ん……」


「髪型はあいつがいつも俺の真似してくんの。んで、顔はまぁ従兄弟だからかもしんねぇけど……似てんだよな」



ポリポリと頭を搔く。


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