俺様御曹司に飼われました
「……え?」



再び朱莉から送りてきたLINEに思わず声が漏れる。



〝友達が御曹司をお持ち帰りしちゃったー。くそー〟



なんて文と悔しがるスタンプが送られてきたのだ。



「その女、トイレにいるってこと?」



音哉が苦笑い。



「……そういうことだね」



お持ち帰りだなんて。
でも、悪魔がじゃなくて女の子のほうがお持ち帰りって表現がさすがはモテモテなだけある。



「出てきたぞ」



音哉の言葉にひょいっと少し顔を出して見ると、トイレから出てきた綺麗めなお姉さんにニッコリと笑ってる悪魔。



「……っ」



そんな風にほかの人に笑いかけてなんて欲しくない。



「このまま俺らもおりよう。アイツらエレベーターだから」


「……うん」



音哉の言葉に頷いて、階段を降りていく。

ふたりはこのままどこに消えていくつもりなのだろうか。
もしかしたらあたしが知らないだけで、いつもこうしてだれかといるのかもしれない。

< 81 / 234 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop