俺様御曹司に飼われました
「まぁ、相手の女の子にお前の友達がいたし、あの子、俺ら3人の写真とったあとスマホいじってたし。たぶんくるんだろーなって思ってたけど」



家について、ジャケットを脱ぎながらそう話す。



「ずっと知って……?」


「うん。きた時も気づいた。だからタクシー乗った」


「どういうこと……目の前で浮気してたってこと」


「あれのどこが……」



あたしがいるのを知ってながら、堂々とほかの女の子と手を繋ぐこの悪魔の心境が理解できない。



「……だって、手つないでた」


「酔ってたからね」


「二人きりになるとこ行こうとしてた」


「家までタクシーで送っただけだよ」



あたしの訴えをサラリと交わしてくるこの悪魔。



「普通、あたしがいるのわかってるならあたしの方にくるでしょ!?」


「いやー、誰かさん隠れようと頑張ってたから気づかないふりしてあげたんだよ。……にしてもへったクソだったけど。ふはっ」



思い出したように笑ってる悪魔にふつふつと怒りがこみ上げる。

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