俺様御曹司に飼われました
「心海は、御曹司と話したことある?」


「え?」


「この前の合コンで話したんだけど、すっごくいい人だったのー」



朱莉がうっとりとした顔をする。



「……好きになったの?」


「まさか!あんな御曹司をってそんな申し訳ない事しないよ!」


「……申し訳ないって」



みんな悪魔のこと高く評価しすぎだ。
まぁ、あのスタイルで優しさを持ってたら評価しざるを得ないだろうけど。

本性はとんでもなく悪魔なのに。
そんな悪魔に惚れてるあたしもあたしだけど。



「だってさ、御曹司だよ?あたしたちみたいな庶民と仮に相思相愛になってもいつかは終わるんだよ」


「なんで……?」



あたしと悪魔もいつか終わると言われてるようで嫌だった。



「御曹司には婚約者がいるって噂だもん」


「……婚約者」



社長の息子だ。
そのぐらいの人はいるだろうとは思っていた。
でも、いざ聞いてしまうと心が落ち着かない。



「とりあえず、仕事終わったら連絡ね!」


「う、うん」



戸惑いの合コンへのカウントダウンが始まった。

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