俺様御曹司に飼われました
「じゃあいつ？」


「なんでそんな突っかかるんだよ」



はぁっとため息をつく。



「だって、彼氏が好きな女の子のことじゃん」


「お前に関係ねぇだろ！」



はじめてだ。
こうして、彼があたしに対して感情を顕にさせるのは。



「……っ」


「ごめん……」



触れられたくない部分だから？
その子のことをずっと思ってるから？
誰にも触れられたくなくて、汚されたくなくて。

そんな思いをいつまで抱えているの？



「……もう離れたほうがいんじゃないかな？」



悪魔のことをすきなあたし。
あたしに似てる誰かを好きな悪魔。

交わることはきっと1度もない。



「そんなの俺が許すわけねぇだろ」



少し言葉は弱いけど。
それでも俺様を貫こうとしてる根っからの悪魔。



「あたしじゃなくて、その元カノのところにいけばいいじゃん……」


「お前じゃなきゃダメなんだよ」



別の人を想ってるくせに、あたしじゃないとダメと言う。
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