あなたの溺愛から逃れたい
「ええと。私、夜まで仕事があるので申し訳ありません。
あっ、でも岡崎先生の恋愛小説、すっごい楽しみにしています!」
様々なジャンルの小説を書かれる岡崎先生だけど、恋愛小説は少なくて、ここ数年は書かれていなかったのだ。
「ありがとう。ただ、中学生の時にデビューしてからずっと本読んで書いて読んで書いての繰り返しの人生だったから、恋愛経験なんて殆どねぇんだよ。だから、逢子さんに協力してもらえたらいいなーと思ったんだけど」
あの岡崎先生が、目の前で私の協力を必要としている。こんなに嬉しいことがあるものか。
……でも、だからと言って仕事を投げ出す訳にもいかず「お役に立てずに申し訳ありません」と顔を俯かせて謝ると。
「あ、その角度いいね。ちょっとそのまま動かないで」
突然そんなことを言われ、言われるがままに制止した。
すると、崎本様の大きな右手が、私の前髪を掻き上げ。
チュッ、と。
額にキスをされた。
「……えっ⁉︎」
当然私は驚くけど、そんな私に、崎本様は。
「こういうシーン書きたいと思ってるんだよな」
と言うのみ。
あくまで小説を書く時の参考にするための行動だったらしい。
その後、何事もなかったかのように彼はマップを持って出掛けていった。
あっ、でも岡崎先生の恋愛小説、すっごい楽しみにしています!」
様々なジャンルの小説を書かれる岡崎先生だけど、恋愛小説は少なくて、ここ数年は書かれていなかったのだ。
「ありがとう。ただ、中学生の時にデビューしてからずっと本読んで書いて読んで書いての繰り返しの人生だったから、恋愛経験なんて殆どねぇんだよ。だから、逢子さんに協力してもらえたらいいなーと思ったんだけど」
あの岡崎先生が、目の前で私の協力を必要としている。こんなに嬉しいことがあるものか。
……でも、だからと言って仕事を投げ出す訳にもいかず「お役に立てずに申し訳ありません」と顔を俯かせて謝ると。
「あ、その角度いいね。ちょっとそのまま動かないで」
突然そんなことを言われ、言われるがままに制止した。
すると、崎本様の大きな右手が、私の前髪を掻き上げ。
チュッ、と。
額にキスをされた。
「……えっ⁉︎」
当然私は驚くけど、そんな私に、崎本様は。
「こういうシーン書きたいと思ってるんだよな」
と言うのみ。
あくまで小説を書く時の参考にするための行動だったらしい。
その後、何事もなかったかのように彼はマップを持って出掛けていった。