あなたの溺愛から逃れたい
「ファンレターのことを覚えていたのは、本当にたまたま記憶に残ってたってだけだった。
でも、旅先で一目惚れした女性が、そのファンレターの女の子だったっていうのは運命だと思ってる」

「え、一目……?」

その瞬間、正面からふわりと彼の身体に包まれた。

優しく、抱き締められている。


「俺、明日北海道に帰っちゃうけど、いつでも会いに来れるよ。なんだったらこっちに引っ越してきてもいいし、逢子さんを北海道に呼ぶことも出来る」

「え、え……?」

「惣田 逢子さん。俺と付き合ってくれないかな?」
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