HANA~さよなら、大好きだった人~
戒のほうを見ると、リモコンをテレビに向けていた。


「なんで消したの?私まだ見てたのに」


「…」


イラ…


「かー…」


ガチヤン!!


ビクッ


戒は食器をおもいきりシンクへと置いた。


「…朝からそんなもん見てる暇あんならさっさと飯食え」


「…う…うん…」


戒はそういい、リビングから出て行った。


…何よ戒の奴…テレビごときで…


「…やっぱり…戒たちにとっては吸血鬼は許せないんだね…」


もう、お分かりの人もいると思いますが、戒と隼人君は兄弟だけど、私は赤の他人。


戒たちの家は協会。
私が5歳の時、私の家族は事故で亡くなったらしい。


そのショックでか、私は5歳より前までの記憶は何一つない。


そんな私を保護してくれたのが、戒たちの両親…


けど、3年前…


戒たちのお母さんは吸血鬼によって殺された…
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