好きやねん(押さえられへん思い)



「1年2組の国生永遠を連れて来ました」

渋い年配の制服姿の刑事さんと新米刑事といった感じの2人の刑事に担任の教師が言ってん。


「君が国生永遠君か。
君に少々、聞きたいことがあるんだ」

年配の刑事は、俺の顔を真っ直ぐ見つめて、言うねん。


虎に睨まれた草食動物のように怖くなってしまって、目線を下に下げてもうてん。


「あ、はい」

震えてとる声で返事をしてんけど、どんな風に写ってるかなんて分からへん。


「君と真鍋きららさんは、何時まで一緒に居ましたか」

あ、そっか。



「昼休みが終わって10分ぐらいやと思うねん。」


「真鍋さんと君は、何をしてたんですか。
誰か、証明してくれる人はいますか」



刑事は、聞いてくるねんけど、証明してくれる奴なんておらへん。


キスの事を言うんか。


言った途端に怪しまれへんか。



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