好きやねん(押さえられへん思い)

あいつの去っとる姿を立ちすくみ見つめてからたったったったたたたと歩いてん。

教室に行ったらあいつの姿はねぇし、あいつの鞄やコートもねぇ。

そりゃそうかっと思い、コートを羽織って、鞄を肩にかけて歩いとったら

ぶるぶると音が鳴ってるが一瞬、何の音が分からへんかったが鞄の中からスライド式の黒の携帯を取りだしてん。

着信を見ずに


「もしもし」


「・・・」


一瞬の沈黙が流れてん。

誰何や。

おい、おい
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