好きやねん(押さえられへん思い)


ぴくっとしたあいつの顔がしたのが見えてん。


何があったんか。


「直美、どうしたや」


気になるやん。


何かあったか。


あいつは、鞄の中からピンクの携帯を取り出してん。


あ、電話かかってきてたんか。


あいつは、右手で携帯を持ってん、左手の人差し指をあいつの唇にもってきて



「しっー」


っと小さな声で俺にその姿を見せてすぐに横に向いてん。


微かに聞こえる声は、



俺と喋る声と違うねん。


甘ったるい声で誰と喋ってるか想像できるねん。



嫉妬、羨ましい、孤独





俺と喋る時と違いすぎやん。


俺に喋るなって言ってるのが分かるねんけど


苦しくて、辛くて、淋しいねん。





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