好きやねん(押さえられへん思い)


隼人は、唇に人差し指をあてて言うねん。

「本当に直美さんの事になると冷静さを失うよな。
よく、聞け、永遠」

え、あぁ。

あいつの事が疑われるんはいややねん。

隼人が何が言いたいか聞かなあかんなぁ。

首を上下に振ってん。

「ああ、良かった。
直美さんを疑ってるって言うんか。
引っ掛かるだけで、犯人じゃないと思うがな。
きららさんの思いを直美さん、知ってるのだろう」

俺を探るように質問をしとる隼人の言葉の節々。

俺の顔を見て、『ああ』って表情して、

「やっぱりなぁ。
永遠、何も知らないやろう。
直美さんの事」

意味深な言い方をして。


「あ、いいや。
忘れろ」


気になるような言い方をするねん。


< 150 / 226 >

この作品をシェア

pagetop