好きやねん(押さえられへん思い)
隼人は、唇に人差し指をあてて言うねん。
「本当に直美さんの事になると冷静さを失うよな。
よく、聞け、永遠」
え、あぁ。
あいつの事が疑われるんはいややねん。
隼人が何が言いたいか聞かなあかんなぁ。
首を上下に振ってん。
「ああ、良かった。
直美さんを疑ってるって言うんか。
引っ掛かるだけで、犯人じゃないと思うがな。
きららさんの思いを直美さん、知ってるのだろう」
俺を探るように質問をしとる隼人の言葉の節々。
俺の顔を見て、『ああ』って表情して、
「やっぱりなぁ。
永遠、何も知らないやろう。
直美さんの事」
意味深な言い方をして。
「あ、いいや。
忘れろ」
気になるような言い方をするねん。