好きやねん(押さえられへん思い)

長いまつげで、瞼を開いたら、真っ白な天上が俺の眼球に写ってるねん。


ふん、何処かなんて考える気も起こらねぇ。

バタンとドアが開く音が聞こえて、俺は、咄嗟に瞼を閉じてん。

「永遠の容態は、どうなんですか。
2日間も目を開けてくれへんから心配なんですよぅぅぅ」

涙声になっとる女性の声に肩がぴくっと動きそうになるねん。

小耳をたてて聞いてるねん。

「永遠さん、極度のストレスをため込んでますね。
それにより、倒れこんだと思われます。
永遠さん、悩んでいる様子は、ありましたか」

淡々と喋る男性の声。


「ううううん、永遠、一昨日の晩、目が沈んでたんですよ。
何か有った事は、分かったんですけど、言ってくれなかったですよ。
自分の殻に閉じこもる子なんです。
どうして、あの時、深く聞いてあげなかったでしょうか」


アホらしい会話やなぁ、おかんと医者と思う人の会話やねん。


バタンとドアが閉まった音が聞こえて目を開けようとしてん。


ふぅっと、意識がもうろうとするねん。


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