好きやねん(押さえられへん思い)


あいつらが俺を犯人にしたがっとった。

誰なんかも分からへんが俺を、俺を犯人したがっとったんが許されへん。

きららさんを憎んでるって言ったら嘘になるねんけど、何かちゃうよなぁ気がするねん。

初キスは、あいつって決めとったんのに、無理やりのキス。

濃密なキスを強引なんが嫌やし、自分は、綺麗だからって、俺が惚れるって勘違いするんが嫌。

きららさんのせいで憎まれるんも嫌やねん。

感じてへん所も嫌やねん。

おかんは、


「帰るわよ」

1言を言って、何食わぬ顔で病室を出てん。


追うようおかんの後ろを歩いてドアをがらがらとドアを開けて、すたすたと歩くねん。


おかんは、


「110番にしなぁ」


っと、後ろに振り返って、どしっとした画面がでけぇおかんの携帯を渡されてん。


ええ、今ですかって、突っ込みたかってん。

なんて、言ったらええんやと思ってん。


すぅっと、通り過ぎとる女性、いやぁ、あいつやと思うねん。

おかんは、気づいてへんみたいやった。

違ったんか、いやぁ、見間違えるはずがねぇ。


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