好きやねん(押さえられへん思い)
病院の外に出ながら、そっと、おかんのどっしり重てい携帯の画面を開いてん。
「はぁ」
軽くため息をして、目玉を動かして、影になりそうな所で、110番に電話をかけてん。
「はい、まるまる町警察署ですが、何かありましたか」
俺の耳元に聞こえてくる刑事はんの声に、
冷や汗が背中に流れてたじたじになってまいながら
「近くの高校の国生永遠やねんけど、真鍋きららさんが亡くなった事件に聞いた話を伝えようと、電話したのですが」
遮るように、刑事はんは、
「ああ、君が国生永遠君だね。
まるまる町警察署に来てくれないかなぁ。
どうしても、君に話さないといけない事が有るんだ」
少しの沈黙が流れた後に
「待ってるから」
刑事はんの言葉が聞こえてから、電話を切ってん。
切られたと言うんが正しいかも。
軽く叩かれてん。
ゾクッとして振り返ってん。