好きやねん(押さえられへん思い)

俺は、緊張してるんやと思うが、『平静』にって言い聞かして平静にならなあかん。

緊張は、誰かに伝わるんちゃうんかって思うてしまうねん。


「永遠君、行こうか」

若手刑事はんは、軽く微笑んでん


不気味に感じてしまうねん。

慣れてへん世界に捨てられてしもうた子供のように、怖さがじわじわ伝わりそうやねん。


「ぁ、はい」

緊張して裏声になってしまいながら返事をしてん。

カッカッカッと革靴の音がする刑事はんが歩き出したんで、俺は、歩きだしてん。


個室みたいな所に通されてん。

え、密室で、テーブルとイスしかあらへん所に入るんすか。

俺は、恐る恐る入ってん。

俺は、これから刑事はんに衝撃的な事実を知らされるなんて、そん時の俺は、しらへんかった。


知る由もあらへん。




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