好きやねん(押さえられへん思い)
電車に乗って、病院の産婦人科の受け付けで、顔をのぞき込んで、
「雨宮直美さん、17歳の少女、ここの病院に来てたんやけど妊娠してへんか」
無様に俺は、受付で聞いてん。
「あ、もしかして、中絶するのに同意書を提出してない雨宮さんかな」
やっぱり、そうやったか。
俺は、後ろであいつが居るなんて気がつかんとへたれこんでん。
「ぅふ、アホ」
あいつの声が聞こえてへたれこんだままに振り返ってん。
「本当に永遠は、アホなんやから。
永遠には、関係ないのにどうして構うのよ。
すぐに永遠に頼るから頼らないようにしてるのに」
つぶらな瞳から真珠の涙が落ちてるんを優しい瞳で見つめて
「俺になんぼでも甘えてええから。
直美の事が抑えられへんほど好きやねん。
俺が18になったら結婚してくれへん。
俺は、直美とお腹の子と一緒にいたいねん」
俺は、優しく言ってん。
心臓は、バクバク音を鳴らして、張り裂けそうになりながら悟られんようにしてん。
さらっと俺のプロポーズをかわすかも知れへん。
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