好きやねん(押さえられへん思い)


「永遠君、何処に行ったのかなぁ」

眼鏡のかけた野暮ったい女性が言ってるねん。


「菜穂、妊娠してるかも知れないでしょ。
父親、もしかして、隼人かも知れないでしょ」

あやめが微かに聞こえてくる声で言ってるねん。

ありえへん。


聞き間違いやと思うねん。


ちゃうんか。


隼人が先輩の菜穂って、奴と付き合ってるんか。


どんな奴やねん。


「菜穂も隼人くんも、学校来てないって、病院に」


俺は、ひょぃっと先輩の真上から降りてん。


「うわぁあああ」


腰ぬかしてるあやめに睨み付ける野暮ったい女性。



「永遠君、びっくりしたじゃないの」 

睨み付けながら野暮ったい女性は、言った。



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