好きやねん(押さえられへん思い)
「直美、可愛い顔をあげてくれないか?
なぁ、俺に見せてくれないか。
お願い。
直美の涙を流した顔も可愛いが笑った顔は、めっちゃ可愛いやから。
俺・・・ハズ。
直美と俺って、いくつから一緒に居たっけ。
幼稚園か。
幼稚園前だったか。
直美、教えてくれないか」
って俺は、忘れてるじゃないねん。
あいつが喋らないから喋れる内容を探したが見つからへん。
3歳の時からあいつに俺は、一目見たときから好きになってん。
強がってる風に見えるが寂しがりやで泣き虫で恋多きあいつ。
「幼稚園」
っと小さな声でぼそっとあいつは、俺に答えてる。
「有難うな」
って言いながらあいつ、覚えてなかったんか。
多少の期待をしたが無理だったかと悔しかったがあいつが喋ってくれたのが嬉しかってん。
「何で、来るのよ。
来なくていいの・・・アホ。
早退しようと抜け出したのに永遠がくるなんてホンマ、迷惑なんやけど」
俺が渡したハンカチでダイヤの輝きを拭いて嫌味たっぷりの声が聞こえた時。
いつものあいつの嫌味混じりだが折れそうな心が覗けて痛い。