イケメン部 〜第2巻〜
受話器をゴトリと置き、俯いていた。



「どうしたの?」



俺はそう、お母さんに聞いた。

お母さんは、「大丈夫」としか言わず、俺の頭を撫でながら、



「ちょっと急いで行かないといけない用事が出来ちゃった。誠、いい子にしてられるよね?お姉ちゃんが塾から帰ってきたら、お母さんが出かけたって伝えておいてほしいな」



笑顔で…しかし、何処と無く引きつったような笑顔で俺にそう言った。



「わかった!」



俺はそう言った。

お母さんは頷いた。



「行ってきます」



そしてそれがーーーー




お母さんと俺との最後の言葉になった





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