イケメン部 〜第2巻〜
その後犯人はすぐに取り押さえられ、お父さんもすぐに病院へ運ばれたが、運ばれる途中で亡くなったらしい。


俺はこの日、実の両親を二人とも失った。





* * *





御影は目を伏せながら事の一部始終を澪和へ伝えた。



「父上、母上とはそのあとに出会ったんだ。母上が妊娠出来ない身体でな。姉上と俺は引き取られたんだ。…所謂、養子とか言うやつだ」



澪和の方を見て、少し微笑む。



「本当にもっと早くに伝えるべきだったな」


「…い、いえ」



澪和はギュッと拳を握った。

御影の表情は何故か清々しかった。



「心の重荷が取れたような気分だ」



澪和へ伝えた事で、少し気持ちが楽になったのだろう。


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