イケメン部 〜第2巻〜
「……渡せません」



そう言う御影の瞳にはどこか光が差して見えた。


佐々木は、ふぅ、とため息をつくと、



「分かった分かった…。僕はどうしても負けを認めたくないんだ、長年の付き合いだし、分かってるでしょ?誠くん」


「はい」


「あの時、澪和ちゃんを手放さなければ良かったのかなぁ〜」



後ろで腕を組み、少し伸びをしながら佐々木は呟く。



「…まぁ、大学生になって、もっと大人になったら迎えに行くね♪」



佐々木は澪和の方へ近寄る。

御影は佐々木から目を離そうとはしない。



「ちょっとくらい近寄らせてくれてもいいのに〜」

< 118 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop