イケメン部 〜第2巻〜
暫く車を走らせていた。

澪和は窓の外の景色に釘付けだった。

そんな澪和を微笑ましそうに御影が見守る。




「着きました」



車が止まったのは海の傍だった。

綺麗な砂浜が広がっている。

真夏の海だというのに、観光客の姿はまるで1人も見当たらないがーーー



「…誰もいないんですか?」



澪和はコソっと御影に問う。

御影は、あぁ、と言うだけだ。

すると運転手の方から声をかけてくれた。



「この砂浜は、誠お坊ちゃまのお父上様が買われた場所なのですよ」


「……っ!?」

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