イケメン部 〜第2巻〜
……どうしよう、御影先輩…




ーーーと、その時、



「海空!」



どこともなく澪和を呼ぶ声が聞こえた。

周りを見渡す。



「海空!こっちだ!」



キョロキョロと声の主を探していると、裏出入口の所に赤い髪を靡かせている西条が立っていた。



「さっ、さい…」



「早く来い!」



西条はそう言うと、靴のまま部屋に上がり込み、強引に澪和の腕をとった。



「……っ!」



一瞬の出来事だった。

澪和の腕を握りながら西条は速いペースで歩く。


澪和は何回か、離してほしいと伝えたが、西条が澪和の腕を離すわけがなかった。

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