イケメン部 〜第2巻〜
通りすがる人からの視線を浴び、澪和は更に動揺した。



「さ、西条先輩っ、もう大丈夫ですから…!」


「……」


「先輩っ!」



澪和の声を聞いても中々西条の頭は上がらない。

どうすればいいのか、困り果ててから数分後、やっとゆっくりと西条が頭をあげた。



「……俺さ」



澪和の目を見ながらポツリと呟く。



「お前のこと諦めるわ」



ニカッとはにかむ西条。

だが、その口元は震えている。

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