イケメン部 〜第2巻〜
「…先輩?」



澪和が声をかけるも、西条は「大丈夫」と自分に言い聞かせるように呟く。



「これ以上お前に迷惑はかけれねぇわ。今まで悪かったな。しつこくて邪魔で面倒くさかっただろ」



長い前髪をクシャっとやりながら西条は目を伏せる。



「そ、そんなっ…。そんな風に感じたことなんてありません!」



声を張って澪和が言う。

西条は、わかったわかった、と言ったように両手を広げ、澪和の声を抑えるよう促す。

なるほど、大通りで声を張れば、先程よりよく視線が集まるわけだ。


澪和が口を閉ざすと、ふぅーっと長い溜息をつき、

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