ゆめふわ
エピソード2
「わ、りゅーくんが誰コラしてるーwww」
夜。
スマホを触っていると
通知設定していた龍哉から〈誰コラ〉ときた。
「ちょっとだけのぞこ」
9時からは定期の自枠開かなきゃだし、それまでりゅーくんのキャスを聞こうと思って、枠にいった。
「7名様いらっしゃーい。コメントしてってな!」
りゅーくんのおもしろい関西弁のイントネーションが部屋に響く。
そういえば、イヤフォンどこだっけ。
探しながら、コメントを打つ。
〈りゅーくんやほー〉
「お。雪いらっしゃーい。誰コラあがる??」
〈りゅーくんが誰コラ楽しんでるの観るだけで充分だよ〉
「えー!雪の癒しボイス聞けないのか…」
〈癒しボイスじゃないわーwww癒カテ主だけど( ˙-˙ )〉
「真顔きついなー!お、誰か来た。こんにちわー」
「こんにちわーどーも」
「どーもどーも」
誰コラで上がってきたのは、爽やかな声の持ち主だった。
人気声優の声に似ていて、あたしのハートはがっしり掴まれる。
〈やばwwwちょーイケボ!!〉
〈りゅーどんまい。負けたなwww〉
「ちょ、うちのリスナーはひどいなぁwww」
「どうしたんすか??」
「イケボやって言われとるで」
「いやいや、全然。」
「ほら、そういう謙虚なとこもイケメンやなー」