きっと好きだとわかる。
―――高校2年生の新学期。

今日から新しいクラスで、新生活が始まる。

・・・と言っても、1年生のクラスでも2か月間しか過ごしていないけれど。

雪乃は緊張していた。

1年生の時の失敗を、ずっと春休み中考えていた。2年生からは、ちゃんと友達を作り、女子高生らしい「ふつー」の暮らしをして、祖父母を安心させたい。

親元でうまくいかず、前の高校でも問題を起こした自分を引き取ってくれた祖父母のためにも、もう新学期から失敗はできないのだ。

―――ちゃんと、友達を作ろう。1年生の時は、自分から会話にも入らない、教室の隅にいる暗い女の子だと思われたにちがいない。だったら、次は自分から話しかけて、明るい女の子になってみせる・・・。

セーラー服の赤いリボンを結びながら、雪乃は鏡の前で決意する。
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