その男
「今度芽以ちゃん連れていってあげましょうか?好きでしょそういうの」
「ダメダメ陽子さん、わたしの趣味分かってないな〜。それよりわたし今BLのケータイ小説書いてるんですけど、それがすごい人気で、コミック化の話がきてるんです」
ウッソ〜〜ッ。
陽子と美穂は女子高生のようなはしゃぎ声を上げ、周りに睨まれる。
「すごい、すごい、芽以ちゃんが一番すごいじゃない」
美穂は興奮し顔に当てた美顔ローラーを高速で転がす。
三人は顔を見合わせにっこりする。
「恋と男もいいけど」
美穂が言う。
「今の方が楽しくない?」
陽子の声にくすぐったいような笑い声が混じる。
「うんうん、楽しい」
芽以は両手でピースを作った。