涙のブザービーター~余命三か月の彼~
「・・・しゃぁぁぁあああ!!!」
「さすが!ビーター和真!!!」
「そのダサいネーミングセンスどうにかしてくださいよ~。」
逆転勝ちした喜びを思いっきりはじけださせる彼らに図太い男の声で雷が落ちた。
「お前ら!整列せんかぁ!!!」
「やべっ・・・・あっしたぁぁぁぁあああ!!!」
バタバタしながら試合は終わり、荷物や体育館の片づけがあわただしく行われる。
その後ミーティングを手短にして柳が丘高校バスケ部は練習試合の会場を後にした。
「いや~、やっぱりあそこは強ぇや~。」
「まじでビーター和真ナイスだわぁ。」
「だからその名前何とかなんないんですか?」
2年生ながらスタメンとして活躍するビーター和真こと如月和真は先輩につけられたあだ名のせいで逆転ゴールを決めたのにも関わらず終始ふくれっ面だ。
ちなみにビーターとはブザービートからきており、これは試合終了のブザーが鳴ると同時に放たれたボールがゴールに入ることである。