王太子様の策略に、まんまと嵌められまして~一夜の過ち、一生の縁~
!?
最後の一文。
その言葉に私の身体が固まった。
もちろん周りも、王太子様の発言に時が止まったかのようにしん、と静まり返る。
目の前の王太子様だけが、嬉しそうに微笑んでいる。
……今、なんて言った!?
未来の花嫁!?
誰が?
……私が!?
「な、なにを仰っていますの……?」
「おや、聞こえませんでしたか?未来の花嫁です、あなたが」
「はい?」
「ですから、私の結婚相手がビアンカ、あなただと」
頭がくらっとなって、卒倒しそうになった。
そんな私の身体を王太子様が咄嗟に支える。
「大丈夫ですか?ああ、少し顔色が悪い。さあ、私と一緒にこちらへ。少し休みましょう」
「え……?いえ、ちょっとまっ」