王太子様の策略に、まんまと嵌められまして~一夜の過ち、一生の縁~
低い声が、後ろから突き刺さった。
ビクリと身体が反応して、そのまま固まってしまう。
「誰が帰っていいと言いましたか?」
続けて発した言葉は、より息遣いも分かるほどに近くで聞こえた。
ぞわりと背中が粟立った。
部屋の空気に混じる、生温かな空気。
それは人間の身体から生じたものだ。
この部屋には、私と王太子様の、ふたりきりしかいない。
つまり、私の背後に立つ人間は――……。
腰に手を回され、ぐいっと後ろに引き寄せられる。
ふわりと高貴な香りと温もりが、私を包んだ。
「あっ……!」
「私から逃げられると思いました?……残念、一生離しません。このまま帰すわけがないじゃないですか。好きでないのならば、好きになればいいだけ。私の思いが信じられないようなら、これから嫌というほど私の思いを分からせてあげましょう。ビアンカへの愛を」
王太子様は私にそう告げると、後ろから首筋に唇を落とした。
全身が一気に痺れたような感覚になり、途端に身体がぼうっと熱く火照る。
ビクリと身体が反応して、そのまま固まってしまう。
「誰が帰っていいと言いましたか?」
続けて発した言葉は、より息遣いも分かるほどに近くで聞こえた。
ぞわりと背中が粟立った。
部屋の空気に混じる、生温かな空気。
それは人間の身体から生じたものだ。
この部屋には、私と王太子様の、ふたりきりしかいない。
つまり、私の背後に立つ人間は――……。
腰に手を回され、ぐいっと後ろに引き寄せられる。
ふわりと高貴な香りと温もりが、私を包んだ。
「あっ……!」
「私から逃げられると思いました?……残念、一生離しません。このまま帰すわけがないじゃないですか。好きでないのならば、好きになればいいだけ。私の思いが信じられないようなら、これから嫌というほど私の思いを分からせてあげましょう。ビアンカへの愛を」
王太子様は私にそう告げると、後ろから首筋に唇を落とした。
全身が一気に痺れたような感覚になり、途端に身体がぼうっと熱く火照る。