王太子様の策略に、まんまと嵌められまして~一夜の過ち、一生の縁~
「ああ、そうだ。今日からこの城で住んで頂くにあたって、ひとりでは心細いでしょうからある方に来てもらっています。今まではひとりでやれることはやっていたようですが、これからは身の回りの世話をその方にやってもらうように。いいですね?」
唐突にファリス様はそう私に告げる。
そして部屋の中から少し大きめな声で、外にいる人間に向かって声を掛けた。
少しして部屋の扉がガチャリと開く。
騎士に連れられてやってきた人物に、私は驚いて声を上げた。
「あ、アマンダ!?」
「ビアンカ様……!」
そこにいたのは、紛れもなくアマンダであった。
いつもは黒い地味で動きやすさ重視の、ワンピースとエプロンを身に付けているのだが、今はこの城の使用人が着用している、紺のワンピースにフリルのついたエプロンを纏っている。
つまり、ある方というのはアマンダということ?
「ビアンカとはとても親しくされているということなので、ここではビアンカ付きの侍女として働いて頂くようにお願いしたのです。代わりにこちらから別の使用人を派遣しているので、屋敷の方は問題ありませんよ」
「え?でも……」
私のせいでアマンダまでも無理矢理連れて来られたのかと、少し申し訳なく思う。
しかしそんな不安な思いも、ファリス様にはお見通しだった。
唐突にファリス様はそう私に告げる。
そして部屋の中から少し大きめな声で、外にいる人間に向かって声を掛けた。
少しして部屋の扉がガチャリと開く。
騎士に連れられてやってきた人物に、私は驚いて声を上げた。
「あ、アマンダ!?」
「ビアンカ様……!」
そこにいたのは、紛れもなくアマンダであった。
いつもは黒い地味で動きやすさ重視の、ワンピースとエプロンを身に付けているのだが、今はこの城の使用人が着用している、紺のワンピースにフリルのついたエプロンを纏っている。
つまり、ある方というのはアマンダということ?
「ビアンカとはとても親しくされているということなので、ここではビアンカ付きの侍女として働いて頂くようにお願いしたのです。代わりにこちらから別の使用人を派遣しているので、屋敷の方は問題ありませんよ」
「え?でも……」
私のせいでアマンダまでも無理矢理連れて来られたのかと、少し申し訳なく思う。
しかしそんな不安な思いも、ファリス様にはお見通しだった。