王太子様の策略に、まんまと嵌められまして~一夜の過ち、一生の縁~
「お腹が空けば当たり前のことです、恥ずかしがらなくていいのですよ。まあでも、恥ずかしがるビアンカも可愛いですが」
「かっ、からかわないでくださいっ!!」
そう言われ、さらに恥ずかしさは倍増し、ついファリス様に声を荒げてしまった。
言ってしまってからハッと我に返り、次期国王であるお方になんたる口を聞いてしまったのかと焦ってしまったが、そんな私の思いもよそに、ファリス様は依然変わらずニコニコと微笑んでいる。
むしろどういうわけか、楽しんでいるようにも見えた。
「さあ、座って」
ファリス様が椅子を引き、座るようにと促す。
普段こういったエスコートをされることがなく一瞬たじろいだが、言われた通り感謝の言葉を述べて、席に座った。
そしてファリス様が私の向かいに座ると、奥から使用人とは違う、燕尾服のような服を纏った男性が、ボトルを手にファリス様の横へと立つ。
「紹介しましょう、執事のイヴァンです」
「お初にお目にかかります、ビアンカ様。どうぞ、お見知り置きを」
「イヴァン様、こちらこそ初めまして。よろしくお願い致します」
見た目、父と同じくらいの歳でだろうか。
しかし歳を重ねたなりの皺が顔には表れていても、身体はキュッと引き締められていて、立ち姿も美しく、とても格好の良い男性に見えた。
中年らしいぽっこりとお腹のでた私の父とは、えらい違いだ。
「かっ、からかわないでくださいっ!!」
そう言われ、さらに恥ずかしさは倍増し、ついファリス様に声を荒げてしまった。
言ってしまってからハッと我に返り、次期国王であるお方になんたる口を聞いてしまったのかと焦ってしまったが、そんな私の思いもよそに、ファリス様は依然変わらずニコニコと微笑んでいる。
むしろどういうわけか、楽しんでいるようにも見えた。
「さあ、座って」
ファリス様が椅子を引き、座るようにと促す。
普段こういったエスコートをされることがなく一瞬たじろいだが、言われた通り感謝の言葉を述べて、席に座った。
そしてファリス様が私の向かいに座ると、奥から使用人とは違う、燕尾服のような服を纏った男性が、ボトルを手にファリス様の横へと立つ。
「紹介しましょう、執事のイヴァンです」
「お初にお目にかかります、ビアンカ様。どうぞ、お見知り置きを」
「イヴァン様、こちらこそ初めまして。よろしくお願い致します」
見た目、父と同じくらいの歳でだろうか。
しかし歳を重ねたなりの皺が顔には表れていても、身体はキュッと引き締められていて、立ち姿も美しく、とても格好の良い男性に見えた。
中年らしいぽっこりとお腹のでた私の父とは、えらい違いだ。