王太子様の策略に、まんまと嵌められまして~一夜の過ち、一生の縁~
お陰様で、お披露目会は大盛況のうちに終わり、たくさんの祝福に囲まれ終わることができた。
久しぶりに両親とも会うことができ、父はやはり私の姿と置かれた現状に慌てふためいていたけれど、私がいいのならば、と結果的には『幸せになるんだよ』と言ってくれた。
私が王族の一員となることもあり、キャロライン家は男爵家ではなくなるという。
もう少し上の爵位となるそうだ。
それもあり、父はますます忙しい毎日を送っているという。
そして、国王様夫妻とも顔を合わせることができた。
王妃様とはあの日以来、互いに時間があるときにお話をしたり、庭を散歩したりと過ごしていたが、国王様は公務が忙しく、今日まで会うことができなかった。
目の前の国王様は、ファリス様のお父様なだけあって、ところどころよく似ている。
『おお、そなたが!今まで会えずじまいで申し訳なかった。ビアンカ、これから末永くよろしく頼むぞ』
『国王様、お初にお目にかかります。こちらこそ、ご迷惑をお掛けすることが多々あると思いますが、どうか長い目で見守って下さいませ』
『そうかしこまった言葉などいらないぞ。これから私たちは家族になるのだからな。……しかし、お前たちを見ていると思い出すな』
『……思い出す?』
『ああ、私とフィオナが出会ったときだ。あの頃のフィオナはとても美しく輝いて見え……。いや、今でも私には女神以上に輝いているが』
甘い言葉をつらつらと語れるのは、どうやら親譲りのようだ。
国王様は恥ずかしげもなく、堂々と王妃様の隣でそう語る。
そのせいか王妃様は顔を真っ赤に染めて、困った表情を浮かべている。
そんなふたりを見て、とても微笑ましく思った。
自然と笑顔が溢れる。
このふたりの愛があるからこそ、国の安定にも繋がっているのだと確信した。
私も国王様夫妻のようになれるように、頑張らなくちゃ。
改めてそう決意した瞬間でもあった。