王太子様の策略に、まんまと嵌められまして~一夜の過ち、一生の縁~


……と、お披露目会のことを思い返すのはここまでにして。


ファリス様は唐突に呟いた。


真実とは?
話の内容が見えない。


「……どういうことですか?」

ファリス様に聞き返す。

「いまさらな話ですが、実はあの夜、私とビアンカの間に身体の関係はなかったんですよ」

「……え?」


突然なにを言い出すのだろう。
身体の関係がない?


「そ、そんなわけが。だって私全裸でベッドに……」

「そのことなんですが、あれはビアンカが酔って自分から脱ぎだしたんです。私は必死に脱がないように制止しましたよ?でも、暑いから脱がしてくれと、私の制止も聞かずに。なので慌ててあの部屋に連れて行ったのです。あなたの身体を人に見せるわけにはいきませんから」

「え。ええええええっ!?」

思わず声を荒げる。


な、なんたる失態!!!!

自分から脱いだって、そんなふしだらな行為を私がっ!?

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