獣は少女を愛し、少女は獣を愛した


「牙はあるの?」



「あるよ」



「尻尾は?」



「半獣の時はない」



「竜の姿になるとどうなるの?」



「大きくなる。それで、声が少し低くなる。」



「いつかその声も聞いてみたい」



「いつかね」



「願いが叶うなら、あなたの姿をこの目で見てみたい...。」



僕は答えなかった。答えられなかった。



それは叶わない願いだ。



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