獣は少女を愛し、少女は獣を愛した
2
「やっほー」
後ろから話しかけられ、振り向くと、久しぶりに会う友人がいた。
僕の、数少ない友人だ。
「ユラ」
「...?
グラン、どなた?」
聞いたことのない声を聞いて、ミユは僕にこっそり聞いてくる。
「あ、ごめんね。僕の友達のユラ。
男の子だよ」
「そうなのね。
初めまして。グランと一緒に過ごしているミユと申します。」
そう言ってユラの方にお辞儀をするミユ。
「堅苦しい挨拶なんていらないよ!
俺はそういうのが苦手だからね!」
そんなミユを見て、軽い口調で言うユラ。
「...そう?私も少し苦手なの。
じゃあよろしくね、ユラ」
「あぁ、よろしく!
ところで君、目は?」
ずっと目を開けないミユを疑問に思ったのだろう。ユラはそう聞いた。
「あぁ、言っていなくてごめんなさい。
私、目が見えないの。貴方のことは声で判断するから大丈夫よ。」
にっこりと笑ってミユが答える。
「そうかい。失礼な質問をしてごめんな」
「気にしないで。言わない私が悪かったの」
2人は仲良くなれたようだ。