大人の恋をしませんか?
「飯塚……」

そんな顔、なんで私にしてるのよ?そんな、まるで愛おしいって優しい目で、笑みが我慢できないって口角上げて。まるで……

「嬉しい、の?」

「ん?そうだな。嬉しい、な。やっと松森早希子に男として意識してもらえて、嬉しいな」

「私に?」

「そう。お前鈍いからなー。まぁ俺も口説くのはお前が研究所来てからで良いかと思って本気出してなかったしな」

「いや、でもさ。だって、飯塚……いつから?」

ずっと仲の良い同期としてやってきた十年、それは私だけの思い込みだったんだろうか?

「俺がさ、松森を好きだなーって気付いたのは本社行ってからなんだ。それまでは会おうと思えばいつでも会えたし、だから自分にとっての松森の必要度?みたいのも自覚なかったし」

「え?でも、じゃあ二年前から?」

「そう。最初さは、俺もどうしたもんかなぁ、と思ったんだよ。実際、照れもあったし。何年も同期として裏も表も見せてる相手を今更口説くのって、なぁ?」
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