大人の恋をしませんか？

「ーーそれは理解出来る」

実際、私も今、こっ恥ずかしさでいっぱいだ。

「でさ、悩んでるトコにお前が研究所に呼ばれてるって話聞いて。こりゃやっぱり運命だな、とか一人で納得してたのに、お前全然来ないし」

「だから、それは自分の能力と人生設計を考えたらーー」

「怖かったんだろ？」

ズバリと言われて三度目のフリーズ。

そう、私は怖かったんだ。精鋭の集まる場所で自分の能力が大した事ないって知るのを。仕事すら失った時に一人でいることに。

「その気持ちも分かるよ。経験積んだ分、変化を軽く楽しめなくなるし、リスクも見えちまう。でもさ、お互いに支え合ってならいけるだろ？」

そうだろうか？一人なら怖くても、二人なら乗り越えられるだろうか？

「俺もさ、沢山考えたんだ。安易な判断して松森を失うのは嫌だからな。でもさ、弱音吐くのも、聞くのも、休日にダラダラするのも、笑うのも、やっぱりお前と一緒がいいと思ったんだ。松森早希子はどうだ？一緒に笑う時に泣く時に怒る時に、誰に隣にいて欲しい？」