大人の恋をしませんか?
「疲れてるね」

「まぁね、もぅ年だもん」

テーブルに置かれた生ビールにてを伸ばしながら苦い笑いをこぼす。

数年前は大したことなかった深夜残業や休日出勤も、三十を越えた辺りから疲れが残るようになった。もう若くないって事をひしひしと実感している。

「早希ちゃんが年なんて言ったら、俺はじぃちゃんだな」

カラカラと笑いながら串を焼き出した大将が、そう言えば、と話し出す。

「昔、早希ちゃんと一緒に来てた男前、どうしてる?最近ちっとも顔見せないな」

「あぁ、飯塚?あいつなら‥‥」

話し出した言葉はガラガラと表の扉を開ける音に遮られた。

「こんばんはー」

「おっ!こりゃ、話をすれば、だな」

入って来たのは今まさに話に出ていた飯塚祐樹。私の同期で二年前に本社に栄転していったエリート様だ。


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