好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。



「大志くん!!」

「あ、やべ」



が、そのタイミングで大志を呼ぶ高い声が聞こえた。


思わず顔をしかめた大志は、パッと私を離す。




「昨日といい今日といい、その子とばっかり仲良くしないでよ!」



その彼女────ユカリちゃんはそう言って近づき、大志の胸をぽかぽかと叩いた。


泣きそうな顔をする手前、本気でこいつのことが好きなんだろう。




私とは違う、伝える勇気を持った女の子。





「だから、舞は俺の親友なの!分かる?仲良くすんなって方が無理だから」

「…〜っ!何よ、それ!」



悪びれる様子もない大志の態度に、ユカリちゃんはヒステリックに叫ぶ。




「うわ、大志くんキッツ〜」


横にいた莉里も、そんなことを言って事の運びを眺めてた。




バカ大志。


そんなこと、普通彼女に言っていいわけがないのに。



今の私の立場からはそう言ってもらえるのは嬉しいけど、彼女の立場にしたら彼氏の女友達がいつも一緒だなんて気分のいいものではないだろう。



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