好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
「舞は、俺の彼女なんだからな」
「?うん、分かってるよ」
何を言い出すかと思えば、そんなこと。
分かってる。
大志の彼女になれたことが、どれだけ嬉しいことか。
そんな私とは裏腹に、大志は何を確認しているというのだろう。
真剣で、けど少し不安げに揺れた瞳が私を見つめる。
「頼むから、他のことなんて考えるなよ」
掴まれた手にギュッと力がこもったのは、大志がそう言い放ったのとほぼ同時だった。