好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。



「っ、…」


凄く、意識してしまった。



大志がそう言い放った理由に、少し勘付いてしまったから。


自惚れかもしれないけど、それでも嬉しい。ドキドキする。




「ねぇ、大志」

「んだよ」

「ヤキモチ、だったりする?」

「な…っ!」



試しに聞いてみれば、分かりやすいくらいの反応をしてくれた。



それが嬉しくて、思わずふふっと笑みが溢れる。



大志が私のことで嫉妬してくれる日が来るだなんて、夢にも思わなかった。



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