好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。



この家にやってきたのはもう何回か覚えてない。


それくらい、私達はお互いに親友の頃から行き来している仲だった。




「あれ、おばさんは?」

「あー…」

「?」


いつもなら私が来たらかならず玄関でお出迎えしてくれるおばさん。


それなのに今日は大志しか出てこないものだから尋ねれば、何故か大志は歯切れが悪そうに視線を逸らした。




「…今日、帰ってこないって」

「……え?」



聞き間違い、だろうか。


けど大志の様子からして、決して聞き間違いには思えない。



「おじさんは…」

「帰ってこない。…つーか、2人で土日で出掛けた。知り合いの結婚式があるとかで」

「………」



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