好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。



ダダダダダッ、とテレビからは激しい音が聞こえているのに、このバカはビクともしない。



どうやら舞にとってこの映画はつまらなかったらしい。


ハマるものは、瞬きしてるのか心配になるくらいに真剣に見るのに。




「……、」


集中、できないんだけど。




「まーいちゃん」

「………スー、スー…」

「…だめだこりゃ」



試しに名前を呼んでみても、起きる気配は全くない。


ったく。男と2人きりで寝るとか、どんな神経してるんだよ。



はぁ、と溜息が漏れる。


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