好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
なんで、こんなにドキドキしてんだよ、俺。
けど、慣れないこの感情に戸惑いながらも、それが嫌だとは思わなかった。
正直、こいつがキス以上のことをしてこなかったことには驚いたけれど。
でもその分、全部の初めてが俺だという事実にはどうしようもなく嬉しいと思ってしまっている。
こんなにこいつを愛おしく思う日が来るだなんて思わなかった。
「…無防備な奴め」
その寝顔を見てふっと笑ってしまう。
ほんっと、可愛すぎてムカつくよ。
気付けば、テレビ画面にはエンドロールが流れていた。