好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
厨房にオーダーを伝えて、出来上がるのを別作業をしながら待つ。
「はい、ガーリックサンド2つ」
「せんきゅー」
しばらくしてテーブルに出来立てのガーリックサンドを運べば、大志はそれを美味しそうに頬張った。
大志は、一度気に入ったものに対しては一途な性格だ。
梅味のポテチもそう、チョコビスケットもそう。
CATでも調理パンはガーリックサンド、菓子パンはチョコあんぱんと、大体頼む物は固定されている。
…まぁ、そんな好みを把握してしまっている自分については気付かないふりをしておこう。
─────カランカラン、
「いらっしゃいませー」
それから1時間弱大志は窓側の席を占領してから、私に「頑張れよ」と言い残して帰って行った。
そんな一言でこの後の私のやる気が満ち溢れたことは言うまでもない。